「シンキングペンシル」苦手克服法

2015/03/18
総合 テクニック
上手い人ほど使いこなしている「シンペン」。モノにすれば、釣りの幅が大きく広がる。

ミノーがオートマチック車なら、シンペンはマニュアル車

ついついミノーやバイブレーションなど「巻く系ルアー」一辺倒になりがちで、シンキングペンシルに苦手意識を持つアングラーは少なくないのではないだろうか? ただ、飛距離、ドリフト、レンジコントロール・・・、使いこなせば釣りの幅が大きく広がるのがシンキングペンシル。そこで今回はこのシンキングペンシルの上達法について、シーバス、フラットフィッシュ、ヒラスズキと様々な釣りに精通するロンジン、メガバスのテスター・遠藤真一さんにお話を伺ってきたので、ぜひ参考にしていただきたいと思う。 


FISHING STATION!編集部(以下、F!) こんにちは。今回は「シンキングペンシル」の使い方について教えていただきたいと思っています。このルアー、結構苦手意識を持っている方多いですよね。

遠藤さん(以下、遠藤) そうですね。ミノーと違って動きが分かりづらいので「ルアーの位置や状況」を把握しづらいというのが苦手意識を生む大きな理由になっていると思います。ただ、ミノーにはできないことができるのがこのルアーの魅力で、僕なんかは使っていて一番面白いルアーのひとつだと思いますよ。

F! なるほど。具体的にミノーとの違いってどんなところにあるのでしょうか。

遠藤 色々ありますね。泳ぎのアピールが弱いとかはよく言われることですが、通すコース、レンジ、速さ・・・自分自身で決めることの幅が非常に広いのがシンペンの魅力です。

F! オートマチック車というよりはマニュアル車というイメージでしょうか?

遠藤 そうですね。ミノーだったら「俺じゃなくてもいいじゃん」って感じることもありますよね(笑)。やっぱり、自分でルアーを「操る」シンペンは釣ったときの満足感がとても高いです。

 

個々のルアーの個性を知ることが大切

F! 続いて使い方のコツを教えていただきたいのですが。

遠藤 まず大切なのはそれぞれのルアーの個性を知ることです。

F! 個性?

遠藤 はい。個々のルアーの泳ぎやレンジなどの特徴です。僕がおすすめする「メガバス|カッター」「ロンジン|レビン」「ジャンプライズ|ぶっ飛びくん」という3つのシンキングペンシルを例に説明してみます。まずカッターについてですがこれはバチ抜けシーバスなどで非常に効果的なルアーですが、浮き上がりが非常に速く表層のレンジを引くのが得意なルアーです。これに対してレビンはとにかく浮き上がりが遅い粘るタイプ。そして飛距離が特徴のぶっ飛くんは割と浮き上がりについてはその中間くらいのイメージです。

F! 似たような形ですが、それぞれ随分違うのですね。

遠藤 はい。そうした個性を意識しながら使うことで、シンペンの使い方が見えてくると思います。浮き上がりの遅いレビンなんかだったら、例えばこんな使い方もできます。例えば磯の流れが強いスリットなんかで使うとき、普通のシンペンだったら浮き上がってしまって使い物にならないこともありますが、レビンだったらゆっくり巻いてじっくりボトム付近の魚を狙えます。それこそ「ほぼ巻かない」イメージで流して使ったりもします。

 

「ドリフト」は流れとの同調を意識して

F! やはりシンペンというと「ドリフト」させて(流れに乗せて)狙うイメージが強いですよね。

遠藤 そうですね。やはりドリフトは大きな武器だと思います。

F! ドリフトのコツってありますか?

遠藤 流れに同調させることですね。さきほどのルアーの特徴を意識したうえで、流れに「乗せる」イメージです。あとは磯のヒラスズキ狙いなどでは「沈み根」まわりを狙ったりすることも多くありますが、ルアーの位置とレンジを的確に把握してなるべくタイトに流し込んでいくことも釣果を上げるうえで重要なことです。

 

「風」を利用したドリフトでよりタイトに攻める

F! あとは風を利用したドリフトなんかもありますよね。

遠藤 はい。さきほどは沈み根といいましたが、今度は完全に頭が露出した丸い大きな岩が前方にあると考えてください。こうした岩のまわりにはヒラスズキなんかが付いている可能性が高い訳で、この岩のまわりをグルっとタイトに舐めるようにルアーを通したくなりますよね。

F!  露出した岩に沿って裏側から手前まで「半円状」に狙えたらいいですよね。

遠藤 こういう状況で「横風」が吹いていれば、それが可能になります。岩の奥にルアーをキャストしてラインスラック(糸フケ)を回収するようにしてルアーを引いてきます。このとき、たるんだラインに沿ってルアーが手前に寄ってくることを知っておいてください。

F! ラインの描く弧に沿ってルアーが手前に寄ってくるんですね。

遠藤 はい。ラインスラックの量と角度によってコースが決まるんです。それを意識してルアーをなるべくタイトに岩のまわりを通します。

F! 極端な話ですが、着水の時点で出すラインスラックの量でコースが決まるということですね。難しそうですね・・・。

遠藤 少しずつ慣れていけばいいと思います。簡単ではありませんが、その分「俺じゃなきゃ釣れなかった感」はありますよ(笑)。川、磯、サーフ、干潟・・・どこでも魚種を問わず効果的なルアーですし、モノにして絶対に損はないですよ。現在はシーバスのバチ抜けパターンが最盛期ですが、この釣りはシンペンの使い方を習得するのに最適なので、ぜひ釣り場で実践してみてもらいたいですね。

 

遠藤真一
シーバスゲーム、フラットフィッシュゲーム、ヒラスズキゲーム・・・、どの釣りにおいても超一級の腕を持つエキスパート。多くのプロアングラーがこぞってその実力を認める業界の裏番長的存在でもある。シマヤ釣具木更津店勤務。釣りのこと、タックルのこと、店頭で親身に相談に乗ってくれる兄貴分だ。ロンジン、メガバスのテスター。