いま、世界に誇る「ニッポンの釣り具」を考える

2014/09/08
総合 その他
世界をリードする誇るべきニッポンの釣り具たち。精巧な塗装と流れるようなフォルム、細部に意匠が施されたルアーは「工芸品」ともいえるクオリティだ。

日本が世界に誇るべきモノ

ものづくり立国・日本を再生しようという機運が高まっているが、それでも自動車、オートバイ、カメラ、ロボット、リニアモーターカー等々、世界を牽引するニッポン製品はまだまだ多い。トヨタ自動車は世界販売台数3年連続トップを記録しているし、デジタルカメラの世界シェアではキヤノン・ニコンなどの日本ブランドが約80%を、一眼レフカメラにいたっては実に99%を独占・寡占している。また、ホンダのASIMO(アシモ)に代表される最新のロボット技術も世界から注目を集めているし、先日、日本のリニアモーターカーの技術がアメリカに無償提供されることが話題になったりもした。

 

ニッポンの釣り具は世界中の人々の憧れ

同様にニッポンの釣り具も世界に誇るべき工業製品である。外国に行って釣り雑誌を開けば必ず「DAIWA」「SHIMANO」の文字が踊っているし、海外のフィッシングショーに行くと日本メーカーのブースにはいつも多くの人だかりができている。また、先進国で釣り具屋に入ってみると日本の某メーカーのルアーが謎のパッケージに入ってずいぶんと安く売られていることがあるが、試しに買って見るとそれは精巧に作られた模造品だったりする。日本製の釣り具は世界中どこにいっても憧れの存在。ちょうど世界中の人がドイツ車やスイス製の高級時計、イタリア製のファッションブランドに抱くようなイメージをニッポンの釣り具に持っている人が多い(模造品が多く作られるところも共通だ)。

 

年々精巧さを増すリール。高い塗装技術、成形技術を用いたルアー

実際に日本製の釣り具の品質は極めて高い。リールに関してはダイワとシマノという2大メーカーが切磋琢磨し、年々過剰なまでに性能が向上している。ギヤなどその精巧な作りは工業製品としてひとつの極みに到達していると言ってもいいだろう。また塗装技術、成形技術の高さも日本の釣り具の大きな特徴といえる。メガバス製ルアーに代表される流れるようなボディラインや艶かしいカラーリングは、ルアーを工業製品から工芸製品に高めたと言えるかもしれない。

 

日本の釣り具の未来に向けて

なぜ、釣り具後進国であったニッポンがこのように世界のトップランナーになりえたのか。釣り産業以外の高い技術がありそれを釣りに応用する基盤があったことが大きいのではないかと思うが、日本人のものづくりに対する職人気質的な問題、あるいは美意識的な問題等、様々な理由があったのだと思う。ただ、懸念材料もなくはない。「ガラパゴス化」といわれるように、日本の内部で完結する価値観・細工などにこだわるあまり、普遍的なもの、釣り本来の楽しさなどを忘れていないか心配な部分もある。とはいえ、我々は最先端の地でこうして常に新しい釣りを楽しめることを誇りに思ってよいのではないかと思う。日本が誇る「釣り具」という工業製品のさらなる発展に期待したい。

文=F!編集部