松岡豪之・鉄人の肖像|正しく伝えること

2014/07/23
総合 その他
結果という証拠がある。製品について語るとき、松岡豪之は包み隠さずすべてを語る。

アーマードF+について尋ねたとき

私たちは、どんなことにも秀でた完璧なものを期待してしまいがちだ。デュエル社からこの春に発売されたライン「アーマードF+」について松岡豪之に聞いたときも、私はそんな答えを期待していた。PEラインと比べて強度が15%アップ、耐摩耗性は5倍に、伸度は0.6%から0.3%に、感度は2倍、飛距離も10%アップになったというこのラインに、すべてに優れた完璧なラインであるというコメントを期待していた。

 

期待はあっけなく裏切られた

しかし、松岡はあっけらかんとそんな期待を裏切ってくれる。「確かに今回のラインはそのスペックの通り、とにかく優秀なラインです。比重も約1.00と重いため風に流れにも強く、従来のPEの弱点を克服しています。でも、やっぱり完璧なものなんてないですよ。PEとフロロカーボンのハイブリッドである以上、ハリが出るという特性が生じます。そのため1.2号以上の太さになると、どうしても扱いが難しくなってしまう。なので、残念ながらはF+のターゲットはシーバス、エギングあたりまでしかカバーできていません。それ以上になると、現在の技術では難しいんです」。

 

欠点を包み隠さず言い切る

松岡は欠点をしっかり認識し、それをしっかりと伝えてくれた。私もアーマードF+を実際に触ってみたが、PEと比べて硬くハリがあるという印象だった。これは言い換えればラインが少しの力でピンと伸びることを意味する。結果、ラインのたるみができづらくライントラブルが減るのだが、松岡はそのこのデメリットもしっかり説明してくれた。慣れるまでに時間がかかること、悪条件でも飛距離が出るため平均的な飛距離はPEよりも優れているが、最長飛距離はPEに軍配が上がること。正直言いづらいことだと思う。彼のようなプロアングラーばかりではないのは事実だ。完璧を謳うメーカー、アングラーは多い。

 

新しいプロモーションのカタチ

さて、アーマードF+は、発売以来非常に好評を博しているという。もちろん製品の性能が高いことが好調なセールスの最大の理由であるとは思うが、こうした松岡の正直さ、実直なプロモーションがこのような結果に繋がっているように思う。全部が全部優れている、そんなプロモーションに消費者はもう飽き飽きしている。どんな製品でも短所はあるはずだ、それを含めて製品の本当のところを知りたいのだ。松岡はそうした声に正面から応えている。

文=F!編集部

 

松岡豪之
シーバス、ヒラスズキ、オフショアのヒラマサ・GTなど幅広い釣りを得意とし、それぞれのジャンルで驚異的な大物を釣り上げてきた九州を代表するアングラー。 

 

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